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volvulus
執筆者: 市川靖史
腸捻転症は腸間膜を軸として腸が捻れる疾患を指し、腸間膜の主幹動脈の閉塞による虚血に加えて,腸閉塞の病態が加わる。日本のイレウスに関するアンケート調査の結果では腸閉塞の約1.2%がこれに当たるという。
年齢は30~50歳代に多く、捻転する器官としてはS状結腸が最も多く、盲腸、小腸の順となる。ごくまれに胃あるいは胆嚢の捻転が生じることもある。
腸捻転の先天的な素因としては(1)総腸間膜症、(2)腸回転異常、(3)メッケル憩室などがあり、後天的素因として腸間膜の(1)瘢痕、(2)癒着、(3)索状物形成また、(4)腸管癒着、固定などがある。
3部位ごとの臨床症状、検査成績、治療
年長の便秘がちな者に多く、男女比は4対1で男性に多いという。腹部単純X線像では馬蹄形の逆U字型のS状結腸のガス像が骨盤腔から肝下縁あるいは横隔膜に及ぶ。
注腸像では捻転部直下の尖って輪郭の平滑な鳥嘴像を呈するというが、むしろ治療的にも有効な大腸内視鏡が先行して行われるべきである。大腸内視鏡では捻転部よりも口側の腸管内の貯留物を吸引し整復を試みる。大腸内視鏡による整復率は77%と高率である(文献1)が再発率も55%と高率である(文献2)。このため24時間は腸内容をドレナージ可能なtubeの肛門からの留置が望ましい。腸管の壊死があれば直ちに切除術を行なうべきである。
小腸の一部が癒着などにより固定された場合にこの癒着部位を中心に回転することで生じることが多い。小腸の絞扼性イレウスの多くがこれに当たるものと考えられる。
発症は比較的少なく、全イレウス症例の1%以下の頻度と考えられる。移動性盲腸(全成人の15~17%がこれに当たるといわれる)症例であって、腹部手術の既往がある者、長期臥床者、慢性の便秘、妊娠などが発症に関与するという。CT上回腸末端の拡張が捻転部位に収束する像が認められることがあるが、多くは腸閉塞として回復され術中に診断されることが多い。術前の確定診断率は17%程度といわれる。
術中に盲腸の捻転があっても虚血が無ければ捻転の解除のみで手術は終了するが、約15%に同様の捻転の再発が認められるために、切除を勧める報告も多い。
1) 松生恒夫 著: 「排便力」が身につく本重症の便秘も治る!専門医が教える生活プログラム (ビタミン文庫) ,マキノ出版 2008
2) 松生恒夫 著:冷やさない 「腸」健康法―自分でできる 新「腸内リセット」 ,講談社 2010
3) 菊地臣一・安井信之・上田裕一・田中淳一・今明秀 著,仲田和正 編集:外科手術に上達くなる法 トップナイフたちの鍛錬法,シービーアール 初版版 2009
4) 坂井建雄:徹底図解 手術と解剖のしくみ―盲腸の切除術から最先端の内視鏡手術まで,新星出版社 2008
5) 渡邊昌彦 編さん:小腸・結腸外科・標準手術 第2版―操作のコツとトラブルシューティング (Digestive Surgery Now No. 1), メジカルビュー社 2009
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