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最終更新日:2008.11.28

糖尿病(とうにょうびょう)

diabetes mellitus

執筆者: 岡崎由希子 門脇孝

概要

糖尿病は一言でいうと血液の中に含まれるブドウ糖の濃度(血糖値)が高い状態が長く続く病気です。血糖値がある程度高くなると、尿の中にブドウ糖が漏れてくることがあるため、糖尿病と名付けられました。では血糖値はどうして高くなるのでしょうか?

私たちが毎日の食事で摂取する糖質(ごはん、パン、お菓子、果物など)は唾液や膵液、腸液に含まれる消化酵素によって、そのほとんどがブドウ糖となります。このブドウ糖は腸から吸収されて血液中に入ります。また肝臓からは蓄えられているエネルギー源の一部がブドウ糖として血液の中に放出されますこれらを合わせて血糖といいます。血糖は体のいろいろな細胞(脳、筋肉、肝臓など)に取り込まれて、エネルギー源として役に立ちます。通常では血糖の値(血糖値)の調節(★1)は、胃の後ろに位置する膵臓のランゲルハンス島の中にある膵β(ベータ)細胞から分泌されるインスリンというホルモンの作用によって巧妙に行われています。

このインスリンの分泌が低下したりその働きが十分でないと、血糖がスムーズに細胞内に入っていけなくなったり、肝臓から過剰なブドウ糖が放出されたりして、その結果血糖値は高くなります。

糖尿病はその成因(原因)によっていくつかの病系(型)に分類されます。成因の分類(★2)は以下のようになります。

また、成因による分類それぞれに対して、いろいろな病態(病気の状態)(★3)が存在します。

本章で述べていく2型糖尿病の位置づけを知るためにも、まず以下に糖尿病全体の病型・病因を示します。

病因

[病型・病因]

1型糖尿病


膵β細胞がほぼ完全に破壊されてしまうことで、膵臓からインスリンが出なくなってしまい発症する糖尿病です。原因は自己免疫性による場合が多いのですが、ウイルス感染や特発性(原因不明)の場合もあります。血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンが体内で作られないわけですので、外からインスリンを補充しないと血糖値はどんどん上がってしまいます。従って1型糖尿病の方は生存のために毎日のインスリン注射が絶対に必要になります。小児期から若年期に発症することが多い病型ですが、中高年での発症もあります。


2型糖尿病


糖尿病患者さんの約9割がこの型に当てはまります。この型の糖尿病は親や兄弟に糖尿病にかかっている人がいることが多く、遺伝が強く関係していると言われています。その他に過食、肥満、運動不足、ストレス、加齢などの複数の因子が絡み合うと、インスリン分泌が低下したり、インスリンの抵抗性が増大して(インスリンが組織で効きにくくなる)、糖尿病を発症することになります。特に肥満になるとインスリンの働きが低下して糖尿病になりやすくなります。中年以降の発症例の多くはこの型の糖尿病です。


その他の特定の機序・疾患によるもの


非常にまれな遺伝子の異常による糖尿病や、膵臓の手術をした後インスリンが出なくなり発症する糖尿病、肝臓病や甲状腺の病気に合併する糖尿病、ステロイドホルモンなどの薬により発症する糖尿病などがあります。


妊娠糖尿病


妊娠を契機に発症した糖尿病あるいは耐糖能異常(糖尿病にまではいかないが血糖がやや高めである状態)のことで、すでに糖尿病と診断されている患者さんが妊娠した状態とは区別されます。妊娠糖尿病は、㈰後年、真の糖尿病に移行しやすい、㈪胎児に巨大児などの合併症が起こりやすい、㈫子どもが将来糖尿病になる可能性がある、などの点で注意が必要です。

病態生理


2型糖尿病の基本的な病態は、インスリン分泌不全とインスリン抵抗性であり、これらを来す素因を含む複数の遺伝子に、高脂肪食、運動部族、肥満、ストレスなどの環境因子および加齢が加わると、2型糖尿病が発症します。個々の患者さんによって、インスリン分泌不全が高血糖の主な原因である場合、インスリン抵抗性が主な原因である場合、インスリン分泌不全とインスリン抵抗性の両方が原因である場合があり、病態に応じた薬物療法が行われます(★14参照)。



インスリン分泌不全について


膵β細胞は血糖値が高くなるとすばやくインスリンを分泌し、血糖を正常範囲に維持しています。食後の血糖値は通常140 mg/dl未満ですが、糖尿病では200 mg/dl以上に上昇します。これは食事をして血糖値が高くなっても、それに見合っただけのインスリンの分泌反応が適切に起こらないためです。一方、朝食前の空腹時血糖値は健常人では110 mg/dl未満ですが、糖尿病が進行するとインスリンの基礎分泌が低下し、肝臓からのブドウ糖の放出が増加して空腹時血糖が上昇してきます。


インスリン抵抗性について


膵β細胞から分泌されたインスリンは、筋肉や脂肪組織のような末梢組織に作用して血液中のブドウ糖をこれらの組織に移動させてブドウ糖を利用させることで、血糖値を一定に保っています。インスリン抵抗性とは、膵β細胞から分泌されたインスリンが、筋肉や脂肪組織で十分に働けない状態のことをいいます。インスリン抵抗性はこれら組織におけるブドウ糖の利用を低下させ、血液中には利用されなかったブドウ糖が残ってしまい、結果的に血糖値は上昇します。過食・肥満・運動不足・ストレスなどはいずれもインスリン抵抗性を増大させます。 糖尿病の患者さんでは肝臓でもインスリン抵抗性を認めます。インスリン抵抗性があると、夜間に肝臓よりのブドウ糖放出を増加させ、朝食前の高血糖を引き起こします。また、食後には肝臓からのブドウ糖放出の抑制が不十分のため食後高血糖となります。


ブドウ糖毒性


糖尿病におけるインスリン分泌不全やインスリン抵抗性は高血糖を引き起こしますが、この高血糖は膵β細胞と末梢組織に悪影響を及ぼして、インスリン分泌不全とインスリン抵抗性をさらに助長します。この悪循環をブドウ糖毒性といいます。生活習慣の改善や薬物治療によってこの悪循環を断つことで血糖値が改善することは、糖尿病の治療上の大切なポイントです。

臨床症状

2型糖尿病の症状は気付きにくく、血糖値が多少高いくらいでは全く症状のない人がほとんどです。そして徐々に糖尿病が悪化し血糖値がかなり高くなってくると初めて、のどが渇く、トイレが近くなる、尿の匂いが気になる、できものができやすい、傷が治りにくい、足がつる、だるい、疲れやすい、食べてもやせるといった症状が現れてきます。さらに、血糖値が極めて高い状態では、糖尿病性ケトーシスや非ケトン性高浸透圧性高血糖を発症し糖尿病昏睡(★4) に陥ることもあります。

自覚症状がないからと糖尿病を放置していると、高血糖が全身のさまざまな臓器に障害をもたらします。とくに眼の網膜、腎臓、神経は障害を受けやすく、糖尿病網膜症(★5)、糖尿病腎症(★6)、糖尿病神経障害(★7)は糖尿病の三大合併症と呼ばれています。網膜症が起こっても最初は自覚症状はありませんが、血糖値の悪化に伴い、失明に至ることがあります。腎症も最初は少量のタンパク尿が出るだけですが、徐々に体内に水分や毒素が溜まるようになり、最終的には人工透析が必要となることもあります。また、神経障害が起きると、しびれ、痛み、感覚鈍麻、発汗異常、勃起障害などが起こります。

また、高血糖やインスリン抵抗性によって動脈硬化が進むため、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞のような大血管障害(★8)が起こる率が高まり、また足の血管の閉塞や壊疽(えそ)により足を切断しなくてはならなくなることもあります。

症状がなくても糖尿病は徐々に進行し、恐ろしい合併症を引き起こします。糖尿病の本当の怖さは、この合併症なのです。

診断・鑑別診断

血糖値の型の区分


糖尿病の診断は、主に血液検査で血糖値を調べて行います。空腹時の血糖値や随時※の血糖値、または75 gの糖分を含む飲料を飲んだ際の血糖値を測定し(75 g経口ブドウ糖負荷試験と呼ばれる検査です)、血糖値の型(★9)を調べます。血糖値の型には「正常型」「糖尿病型」「境界型」に区分されます。そしてこの血糖値の型によって、正常なのか、糖尿病であるのか、その中間の境界型(耐糖能異常)であるのかを診断します。 ※随時とは食後の任意の時間のことをいいます。食前でもかまいません。


糖尿病の診断


別の日に行った検査で「糖尿病型」が再確認された場合には糖尿病と診断されます。このことは糖尿病の診断には最低2回の検査を受ける必要があることを意味します。

ただし次の1)~4)のいずれかがある場合は、1回の検査で「糖尿病型」であれば糖尿病と診断していいことになっています。

1)糖尿病の典型的な症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)の存在

2)HbA1c※ > 6.5 %以上

3)確実な糖尿病網膜症の存在

4)過去に「糖尿病型」を示した資料がある場合

(※)HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー):過去1~2カ月間の平均血糖値を示す指標です。

赤血球に存在し酸素を運搬する役割を持つヘモグロビンの中で、ブドウ糖が結合しているものの割合を意味します。正常値は4.3 %~5.8 %であり血糖値が高いほど、HbA1cは高くなります。

治療

糖尿病の治療には食事療法、運動療法、薬物療法があります。食事療法、運動療法が治療の基本ですが、これらだけで血糖値が下がらない場合には薬物療法を併用します。血糖コントロールの評価(★10)はHbA1cを指標として行われており、HbA1cを6.5 %未満にすると合併症の頻度が少なくなることが知られており、最低限達成すべき目標値となります(HbA1cが6.5%とは状態は空腹時血糖130 mg/dl未満かつ食後2時間血糖値180 mg/dl未満という状態に相当します★12参照)。

また、前述のように糖尿病は動脈硬化の原因となるため、糖尿病がある方は動脈硬化を進行させる他の原因である高血圧や高脂血症などにも気をつける必要があります。血圧・脂質のコントロール指標(★11)は、糖尿病がない方に比べ一層厳しくなっております。


食事療法


糖尿病がある方にとっても、糖尿病がない方にとっても、「規則正しく」、「食品の種類は多くとる」など、食事摂取においての大切なポイント(★12)があります。

性、年齢、肥満度、活動量、血糖値、合併症の有無などを考慮し、1日のエネルギー摂取量を決めます。決められたエネルギー摂取量内で炭水化物、タンパク質、脂質のバランスをとり、適量のビタミン、ミネラルも摂取して、いずれの栄養素も過不足ない状態にします。医師や栄養士の指示に従ってください。標準的なエネルギー摂取量は以下のように求められます。

エネルギー摂取量=標準体重×身体活動量 標準体重(kg)=身長2(m)2×22

エネルギー摂取量(kcal)=標準体重(kg)×30(kcal/kg)(軽労働または中労働の方)

エネルギー摂取量(kcal)=標準体重(kg)×25(kcal/kg)(肥満の方)

なお、肥満とはBMI(body mass index)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)が25以上の状態のことを言います。


運動療法


歩行運動では1回15~30分間、1日2回などが適当(7,000歩/日以上程度)です。糖尿病に対する運動の効果(★13)としては、消費カロリーを増加させることによる血糖値低下、インスリン感受性の改善などがあります。

インスリン感受性の改善とは、少量のインスリンでも血糖値をがきちんと下がるような体質に変わるということです。血糖コントロールが極端に悪い場合、網膜症の状態が悪い場合、腎不全のある場合、心臓や肺などの機能に障害のある場合には運動療法を制限した方がいいため、個々の患者さんに適した運動療法をすることが必要です。


薬物療法


薬物療法には経口血糖降下薬を使用する場合とインスリン使用する場合があります。以下に例を挙げます。


経口血糖降下薬


経口血糖降下薬にはいくつかの種類があります。患者さんの血糖値や体質に合わせて、㈰から㈭を単独、または併用して使用します(★14)。



㈰インスリン分泌促進薬


1) スルフォニル尿素薬(SU薬)

主に膵臓のβ細胞に働きかけインスリンの分泌を促進する作用があります。主な副作用としては低血糖があります。

例:グリミクロン錠(40 mg) 1日20mg~120mg、1~3回分服   オイグルコン錠(1.25 mg) 1日1.25mg~7.5mg、1~3回分服  ダオニール錠(2.5 mg) 1日1.25mg~7.5mg、1~3回分服  アマリール錠(1 mg) 1日1mg~6mg、1~3回分服

2) グリニド薬

別名速効型インスリン分泌促進薬と言われており、SU薬よりもより速やかに膵臓のβ細胞からインスリン分泌を促進する働きがあるため、食後の高血糖の改善に有効です。糖尿病患者の特徴である食後インスリン分泌の遅れを改善し、インスリンの総分泌量は変えません。効果は短時間で消失するため毎食前に服用します。主な副作用としては低血糖があります。

例:スターシス錠(30 mg) 1日90mg~360mg、食前3回分服  ファステイック(90 mg)1日90mg~360mg、食前3回分服  グルファスト(10 mg) ) 1日15mg~30mg、食前3回分服


㈪インスリン抵抗改善薬


主に肝臓や筋肉でのインスリンの感受性を改善することにより、血糖値が下がりやすい体質にします。ビグアナイド薬は主に肝臓に作用します。主な副作用としては消化器症状があります。また、肝機能や腎機能が低下している場合や感染がある場合には、アシドーシスを起こす可能性があるため、服薬できません。チアゾリジン薬は肝臓と筋肉に作用して、インスリン抵抗性を改善したり、中性脂肪を低下させたりします。主な副作用としては浮腫があり、心不全の方は服薬できません。

1)ビグアナイド薬

例:メルビン錠(250 mg) 1日250mg~750mg、1~3回分服  ジベトスB錠(50 mg) 1日50mg~150mg、1~3回分服

2)チアゾリジン薬

例:アクトス錠(15 mgまたは30 mg) 1日15mg~30mg、1回分服


㈫α-グルコシダーゼ阻害薬


摂取した炭水化物が分解して作られたブドウ糖は、小腸から血液中に吸収されて血糖となります。この薬剤は小腸からのブドウ糖の吸収をゆっくりさせることで食後の高血糖を改善します。この薬も毎食前に服用します。主な副作用としては消化器症状があります例:ベイスンOD錠(0.2 mgまたは0.3 mg) 1日0.6mg~0.9mg、食前3回分服  グルコバイ錠(50 mg) 1日150mg~300mg、食前3回分服  セイブル(25mg) 1日150mg~225mg、食前3回分服

●インスリン自分の膵臓からのインスリンの分泌が十分でない場合には外からインスリンを補充してあげる必要があります。インスリン製剤(★15リンク)には効き目が現れるまでの時間や効き目の持続時間によっていくつかの種類があります。

食後に分泌されるインスリン(追加分泌といいます)を補充するためには速効型インスリンや超速効型インスリンを毎食前使用します。また人の膵臓からは食事と関係なく一定のスピードでインスリンが分泌されているのですが、このインスリン(基礎分泌といいます)を補充するためには中間型インスリンや持効型インスリンを使用します。速効型インスリンや超速効型インスリンと、中間型インスリンが色々な比率で混ざっている混合型インスリンもあります。患者さんそれぞれの病気の状態により適切なインスリンの種類を選択して1日1回から5回くらい打つ必要があります(インスリン注射の例★16)。日本ではインスリンは皮下に注射します。

例:ノボラピッド朝6単位、昼6単位、夕6単位  ヒューマカート3/7 朝16単位、夕8単位  イノレットN 眠前8単位 

予後

血糖値をできるだけ正常値に近づけることで、高血糖によって起こる恐ろしい様々な合併症を防ぐことができます。そのためにも早期に糖尿病を発見し治療することが大切です。治療によって一時的に血糖値が下がったとしても、血糖値が上がりやすいという遺伝的な体質や、一度破壊された膵β細胞の機能は正常に戻るわけではないので、治療を中断するとすぐに血糖値は高くなってしまいます。そのためにも定期的に通院して、一生治療を続けながら生活をしていくことが大切です。

最近の動向

Japan Diabetes Outcome Intervention Trial (J-DOIT)(★21)




日本は男女ともに世界の最長寿国(WHO:2006 年版「世界保健報告」)となり、これまでどの国も経験したことがないスピードで超高齢化社会を迎えようとしています。このため厚生労働省は「健康フロンティア戦略」を策定して 2005~2014 年までの 10 年間で、「明るく活力ある社会」と「健康寿命」の延長をめざして、糖尿病を含む 8 疾病の予防・改善を目的とする大規模臨床研究を実施することとなりました。そのなかの一つが,糖尿病予防のための戦略研究 J−DOITです。J−DOIT は、「2 型糖尿病発症予防のための介入試験:J−DOIT1」、「かかりつけ医による 2 型糖尿病診療を支援するシステムの有効性に関するパイロット研究:J−DOIT2」、および「2 型糖尿病の血管合併症抑制のための介入試験:J−DOIT3」の 3 つの研究からなっています。糖尿病罹患率を減らし、また糖尿病の患者さんの合併症を減らすためのよりよい方法の研究が、3つのJ-DOITによって国家レベルで行われています。


新しい治療薬

吸入インスリン


医師に血糖値を下げるためにインスリン治療を勧められても、インスリン療法を希望しない患者さんがいらっしゃいます。この理由の一つとして、インスリンは注射して投与するため、注射針への恐怖心や注射をする手間が挙げられます。近年開発された吸入インスリンは、微粒子状のインスリンを吸入器を使って口から吸いこみ、肺からインスリンを吸収させて血糖値を下げる製剤です。アメリカではすでに診療に使われており、日本でも治験が開始されようとしています。吸入インスリンが実用化されれば、インスリン治療へのハードルが低くなり、血糖コントロールがよりしやすくなると考えられます。


GLP-1アナログ製剤、DPP-㈿阻害薬


糖尿病の薬剤の種類は前述の通りであり、それぞれ特徴や副作用があります。GLP-1アナログ(glucagon like peptide-1受容体作動薬)、DPP-㈿(dipeptidyl peptidase 4)阻害薬は、新しいタイプの糖尿病治療薬でして、現在治験が行われています。高血糖の時のインスリン分泌を増強し、膵β細胞の保護作用や食欲抑制作用を持つGLP-1アナログ製剤や、体内のGLP-1の活性の消失を阻害するDPP-㈿阻害薬は、今後の糖尿病治療薬として大いに期待されています。

生活上の注意

糖尿病の薬物治療中に気をつけねばならないのは、低血糖です。血糖が正常の範囲を超えて降下した結果、動悸、脱力感、冷や汗などの低血糖の症状 (★17)が起こります放置すれば昏睡に陥る可能性があります。低血糖時の対応(★18)としては、砂糖(α-グルコシダーゼ阻害薬服用中はブドウ糖のみが有効)や糖分を含んだもの摂取が有効です。経口摂取が不可能の場合は砂糖を歯肉の間に塗りつけ、なるべく早く病院に行く必要があります。場合によっては家族にグルカゴン(血糖を上げる作用がある薬物です)の筋肉注射をしてもらうこともあります。

また、糖尿病の患者さんが薬物治療中に発熱、下痢、嘔吐などをきたしたり、食欲不振のため食事ができなくなる時があります。これをシックデイ(★19)といいます。

シックデイの時には、普段は血糖コントロールが良好な方でも著しい高血糖が起こったり昏睡に陥ることがあるため、対処のためには主治医の指示が必要となります。

免責事項

情報の正確性には最善の注意を払っておりますが、内容により生じた損失、損害についてMyMedおよび執筆者はいっさいの責任を負わないものとします。
ご自身の健康上の問題については、専門の医療機関とご相談ください。

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