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anomaloous junction of th pancreaticobiliary ductal system
執筆者: 窪田 敬一
通常、胆管と膵管は括約筋の作用が及ぶ十二指腸壁内で合流し共通管を形成する。膵管胆道合流異常は“解剖学的に膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の奇形”(1990年度膵管胆道合流異常研究会規約委員会)と定義されている。わが国を含め東洋人に多く、男女比は1:2.6~3と女性に多い。後述する先天性胆管拡張症に高率に合併する病態でもある。実際、壁外で合流していることを証明することは難しく、共通管が成人で10mm、小児で4mm以上を異常に長い共通管と規定することが多い。
胆管と膵管の合流形態より、胆管合流型(胆管が膵管に合流する)、膵管合流型(膵管が胆管に合流する)、共通管型(中間の形態をとる) に分類できる。この合流形態は肝外胆管の形態と密接に関連し、胆管合流型は肝外胆管が嚢状に拡張した胆管拡張症に、膵管合流型、共通管型は紡錘状拡張型、非拡張型胆管例に見られることが多い。
先天性奇形。
合流部に括約筋の作用が及ばないため、膵液と胆汁が相互に逆流し、胆道ないし膵に胆管炎、胆石形成、閉塞性黄疸、急性膵炎、などの様々な病態を引き起こす。胆道癌は、逆流し貯留した膵液中のPhospholipase A2により活性化されたlysolecithinなどにより胆道上皮が長年にわたり障害されるため、発生すると考えられている。
高率に認められる症状は、反復する腹痛であり、他に、嘔吐、嘔気、発熱、黄疸、灰白色便、腹部腫瘤、などがある。約20%の症例に胆石が見られる。特に胆管狭窄部の上流に形成されやすい。胆管炎による症状と急性膵炎による症状を鑑別する必要がある。しかし、無症状なこともあり、ERCPや術中胆道造影により偶然に発見される例も多い。
一般の胆道癌より好発年齢が約10歳若く、20~30歳代から加齢とともに発癌のリスクが増大し、正常人より発生率は10~30倍高い。胆管拡張例、非拡張例の胆道癌の頻度は各々約10%、30%と報告されており、特に非拡張例では胆嚢癌の発生頻度が高い。
検査値に異常が見られないこともあるが、胆道系酵素、膵酵素の上昇に加え、肝機能障害が認められることがある。閉塞性黄疸をきたし、胆管にドレナージチューブが挿入されている場合は胆汁中アミラーゼ値が高値を示すことが診断の補助になる。
膵管胆道合流形態はERCP、MRCP、術中胆道造影により描出可能である。合流部が括約筋の作用が及ばない十二指腸壁外にあることを診断するには、ERCP、術中胆道造影など透視下に末端部の形態を評価することが確実であるが、超音波内視鏡により合流部が筋層外にあることを確認することもできる。胆道系に関しては、拡張の程度、狭窄の部位、腫瘍性病変の有無、に注意する。癌が発見されたら通常の胆道癌の診断を進める。
以上の所見を総合して診断する。
肝外胆管切除を行い、消化管と胆管を吻合することにより膵液と胆汁の相互逆流を遮断する分流手術が必要である。この際、膵内胆管を可及的に切除するとともに、左右肝管合流部近傍に狭窄が認められたら解除しなくてはならない。この狭窄を残すと術後の肝内結石の発生率が上昇する。胆管拡張例では診断がついた時点で分流手術を施行することが推奨されているが、胆管非拡張例では胆嚢摘出術のみ施行して経過観察することもあり、胆管切除を施行するべきか一定の結論は得られていない。胆道再建法として、肝管空腸吻合、肝管十二指腸吻合、などがある。
発癌する前に分流手術がなされれば予後は良好である。しかし、胆管狭窄部を残すと肝内結石が形成され、胆管炎を繰り返すことになる。また、胆道癌が発癌した場合は通常の胆道癌と予後は同一である。
胆管非拡張例で胆管切除が必要かどうかは、胆管切除例と温存例で長期的に見た胆管癌発生頻度、臨床症状の発生頻度、などを見て結論することが必要であり、症例数を蓄積した後結論が待たれている。
1) 伊佐山浩通・吉田晴彦・椎名秀一朗・小俣政男 監修:肝胆膵診療エキスパートマニュアル,羊土社 2008
2) 急性胆道炎の診療ガイドライン作成出版委員会 編:科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン,医学図書出版 2005
3) 急性膵炎診療ガイドライン改訂出版委員会 編集:急性膵炎診療ガイドライン〈2010〉,金原出版 第3版 2009
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