手根管症候群 - MyMed 医療電子教科書

MyMed(マイメド)は、究極の医療電子教科書の作成を通じて、利用者のニーズにあった理想的な医療情報サイトを作ろうというプロジェクトです。

MyMed


このページを印刷
最終更新日:2010.11.02

手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)

carpal tunnel syndrome

別名: CTS

執筆者: 山本 真一

概要

 手首(手根部)での正中神経障害であり、手指のしびれが生じ、進行するとつまみ動作が困難になる。

病因

 多くは原因が不明(特発性)だが、圧倒的に女性に多く、半数以上は両手に生じる。閉経、妊娠、骨折、透析、肉体労働・パソコンでの手の過使用などが誘因となる。

病態生理

 手首(手根部)にある手根管というトンネル部分で正中神経が圧迫(絞扼)されて生じる。 (図1)




絞扼性神経障害のなかで最も頻度が高い。

臨床症状

 母指から環指半分までのしびれ感や痛みが生じる。これは明け方に強く、手を振ることで楽になることがある。

 進行すると、母指の付け根(母指球)がやせてきて(萎縮)、指先のつまみ動作が困難となり、OKサインができにくくなる。(図2)

検査成績

[検査]
 電気を用いた検査が確定診断に必要。レントゲン、MRIや超音波検査が行われることもある。

診断・鑑別診断

 手首を押したり叩くと、しびれが指先にひびく。(ティネル徴候)

 手首をしばらく曲げていると、しびれが悪化する。(ファーレンテスト)(図3)



 頚椎疾患などとの鑑別には電気を用いた検査が必要。

治療

 整形外科・手の外科専門医に相談してください。治療には、飲み薬、局所の安静、ブロック注射、手術がある。まずは手術に因らない保存的治療を試み、これに抵抗する場合や母指球の萎縮が強い場合に手術的治療を考慮する。

 手術は局所麻酔で行われることが多く、手のひら内の小さい切開で直視下に行う手術と、さらに小さな切開で内視鏡を用いて行う手術がある。いずれも手根部のトンネルを形成する横手根靱帯を切開する。

予後

 一般には良好であり、しびれ感や痛みは術後早期に回復することが多い。筋萎縮の回復には数ヶ月から1年程度を要することが多い。透析例では再発することもある。

最近の動向

 従来の直視下手術法も手首をはさんだ切開から、手のひら内の小切開へ縮小されてきている。鏡視下手術は透析例を中心に行われている。

参考文献

整形外科手術クルズス 改訂第2版 南江堂

(MyMedより)推薦図書

1) 伊藤達雄、戸山芳昭 総監修:腰痛、肩こり、手足のしびれ (別冊NHKきょうの健康),NHK出版 2004

2) 仲田 和正 著:手・足・腰診療スキルアップ (CBRレジデント・スキルアップシリーズ (4)),シービーアール 2004

3) 岩本 幸英 監修、金谷文則 編集:手の外科の要点と盲点 (整形外科Knack&Pitfalls),文光堂 2007
 

免責事項

情報の正確性には最善の注意を払っておりますが、内容により生じた損失、損害についてMyMedおよび執筆者はいっさいの責任を負わないものとします。
ご自身の健康上の問題については、専門の医療機関とご相談ください。

※ この記事に関するご意見をお聞かせください。


このページを印刷

診療科別


※ マイメドでは、疾患項目の追加、および最新情報をお知らせするためにメールマガジンを配信しております。ご希望の方は下記にメールアドレスを入力の上、送信ボタンを押してください。
  なお、次の職業の方は、職業をご選択の上、メールアドレスを入力の上、送信ボタンを押してください。

メールアドレス: メールアドレス(確認用):
医療関係者の方はご選択ください: