乳幼児突然死症候群 - MyMed 医療電子教科書

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最終更新日:2010.11.25

乳幼児突然死症候群(にゅうようじとつぜんししょうこうぐん)

sudden infant death syndrome:SIDS

執筆者: 長谷川 久弥

概要

 乳幼児突然死症候群(SIDS)は「それまでの健康状態および既往症からその死亡が予測できず、しかも死亡状況調査および解剖検査によってもその原因が同定されない、原則として1歳未満の児に突然の死をもたらした症候群」と定義されている。日本での発症頻度はおよそ出生4000人に1人と推定され、生後2~4ヶ月におこりやすく、発症前に軽い感冒症状などを呈している場合もある。

病因

 原因としては、慢性低酸素血症の存在や覚醒反応の低下が示唆されているが、他の要因も含め議論が続いている。SIDSの危険因子としては、うつぶせ寝、人工乳保育、家族の喫煙などが挙げられており、これらの危険因子を取り除くことによりSIDSの発生率が低下することも報告されている。

臨床症状

 突然の死によって発見された状態から疾患が始まるため、発症前に軽い感冒症状などを呈している場合もある程度で、特別な臨床症状はない。

検査成績

 後述するフローチャートように剖検等による他の疾患の除外が重要で、死亡原因となる他の疾患がみいだされないことが特徴である。

診断・鑑別診断

 SIDSの診断を行う上で重要なことは、頭蓋内出血、感染症、代謝疾患などの他の疾患を除外することと、事故、事件などとの鑑別を行うための死亡状況調査である。以前は剖検がなされなかった例には「乳幼児突然死症候群(SIDS)の疑い」という診断がなされていた。しかし、国際的に共通した統計処理、比較を行う上からも、剖検がなされていない場合および死亡状況調査が実施されていない場合には、SIDSという診断名は付けず、分類上「不詳」とすることとなっている。

治療

 SIDSの場合、児が死亡した状態で診断がなされるため、SIDSに対する治療というものは存在しない。

予後

 全例死亡のため、予後は不良である。

最近の動向

 平成18年11月に厚生労働省研究班より下記のような「乳幼児突然死症候群(SIDS)の診断の手引き」が作成、公表され、統一された診断指針としての活用が期待されている。

 SIDSが疑われた場合には、剖検を強く勧めるべきである。このことは児を失った家族にとっても重要であり、死因が不詳の場合、家族は児の死因に対して疑問が解けず、立ち直るきっかけを見出せないでる場合も多い。同じ思いを体験したビフレンダーを中心に「SIDS家族の会」が活動しており、患者家族のサポートをしている。ホームモニタリングについては有用性を疑問視する意見もあるが、兄弟をSIDSで亡くした児や乳幼児突発性危急事態(ALTE)を起こした児では、家族の精神的安定の意味からも希望に応じて施行する。

   乳幼児突然死症候群(SIDS)の診断の手引き

   解剖による診断分類(日本SIDS学会)

   乳幼児突然死症候群(SIDS)の診断フローチャート図

   乳幼児突然死症例 問診・チェックリスト
 
 

(MyMedより)推薦図書

1) 峯真人 著:乳幼児突然死症候群―SIDS (悠飛社ホット・ノンフィクション―Best Doctor Series),悠飛社 2003

2) 川瀬昌宏 著:臨床医のための小児診療ハンドブック,日経メディカル開発 2008
 

免責事項

情報の正確性には最善の注意を払っておりますが、内容により生じた損失、損害についてMyMedおよび執筆者はいっさいの責任を負わないものとします。
ご自身の健康上の問題については、専門の医療機関とご相談ください。

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