胃捻転症 - MyMed 医療電子教科書

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最終更新日:2010.11.01

胃捻転症(いねんてんしょう)

執筆者: 高金 明典

概要

 胃が長軸または短軸方向に捻転し,通過障害を認める場合を胃捻転症と呼ぶ.胃の長軸(噴門部と幽門部を結ぶ線)を中心に捻転した長軸捻を臓器軸性軸捻(organo-axial volvulus)と呼び,長軸と直角になる線を中心に捻転した短軸捻を間膜軸性軸捻(mesentero-axial volvulus)と呼ぶ. 

病態生理

 比較的希な疾患で,男性に多く間膜軸性軸捻が多い.急性は小児や高齢者に多いとされる.腸管内ガス貯留により誘発されることが多い.特発性の場合もあるが,横隔膜ヘルニアや横隔膜弛緩症などように臓器固定が弛緩した場合や腹部手術に続発した癒着や胃腫瘍の浸潤にともない発症する場合が認められる.

臨床症状

 急性ではBorchardtの三主徴(1.嘔吐のない嘔吐発作,2.上腹部膨隆,3.胃管挿入不可)や心窩部痛,腹鳴などの症状が出現する.慢性では不定愁訴を訴える場合が多い.

検査成績

 上部消化管造影検査で胃の変形による通過障害を認める.

診断・鑑別診断

 症状と上部消化管造影検査で確診となる.急性は診断が比較的容易であるが,慢性では上腹部痛などの不定愁訴が多く,食道裂孔ヘルニア,慢性胃炎,胃潰瘍や胃癌などとの鑑別が必要である.

治療

 急性では緊急手術による捻転解除,固定術が必要となる.慢性では腸管内ガスを除去するなどの対症療法がとられるが,症状が強い場合は手術による原因疾患の治療により改善される.

予後

 血流障害による壊死などをおこさなければ予後は良好である.

執筆者による主な図書

1) 幕内雅敏 監修,荒井邦佳 編集:Knack & Pitfalls 胃外科の要点と盲点 第2版,文光堂,東京,2009年

2) 武藤徹一郎・幕内雅敏 監修:新臨床外科学 第4版,医学書院,東京,2006年

3) 東口髙志 編:NSTハンドブック 疾患・病態別の栄養管理,医薬ジャーナル社,大阪,2008年

4) 久保田哲朗・大村健二 編集:消化器癌化学療法,南山堂,東京,2009年

5) 胃癌術後評価を考えるワーキンググループ・胃外科・術後障害研究会 編集:胃癌術式と胃術後障害 そのコンセンサスの現状と解説,ヴァン メディカル,東京,2009年

執筆者による推薦図書

1) 高瀬浩造・阿部俊子 編集:エビデンスに基づくクリニカルパス,医学書院,東京,2004年

2) 内富庸介・藤森麻衣子 編集:がん医療におけるコミュニケーション・スキル,医学書院,東京,2007年

3) Jurgen Thorwald 著,小川道雄 訳:外科医の世紀 近代医学のあけぼの,へるす出版,東京,2007年

4) 財団法人先端医療振興財団・臨床研究情報センター 監修:患者・家族のためのがん緩和ケアマニュアル,日経メディカル開発,東京,2009年

5) 竹末芳生 編集:手術部位感染(SSI)対策の実践,医薬ジャ-ナル社,大阪,2005年

(MyMedより)その他推薦図書

1) 上西紀夫 編集:食道・胃外科標準手術―操作のコツとトラブルシューティング (Digestive Surgery NOW),メジカルビュー社 2008

 
2) 菊地臣一・安井信之・上田裕一・田中淳一・今明秀 著,仲田和正 編集: 外科手術に上達くなる法 トップナイフたちの鍛錬法,シービーアール; 初版 2009

免責事項

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