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subareolar abscess
執筆者: 太田 智彦
乳輪下とその近傍に限局した膿瘍。
[病因、疫学]
陥没乳頭と相関し、比較的若年者、喫煙者に多い傾向にある。授乳とは無関係に生じる。
乳管の扁平上皮化生、角質塞栓に引き続いて、乳管の拡張、管壁の亀裂、細菌感染が起こり、膿瘍が形成される。
乳頭乳輪下あるいはその近傍に腫瘤を認め、有痛性であることが多い。
膿性の乳頭分泌をきたすことがあり、また乳輪付近に瘻孔を形成することもある。陥没乳頭を合併している場合が多く、経過は慢性的で時に急性に炎症の増悪を認める。
マンモグラフィー で乳頭乳輪下に腫瘤陰影を認める。超音波検査で乳輪下に低エコー域として膿瘍を認める。膿の貯留のため、後方エコーはやや増強する。 MRIにてhigh intensity あるいは ring状にenhanceされた腫瘤像を認める。


乳頭に膿性の分泌液を出す乳管認める場合は細いゾンデを挿入し、膿瘍内や乳輪部皮膚瘻孔部との交通を確認し、病的乳管を同定する。
慢性的に経過して疼痛も軽度で瘻孔を認めない場合は、触診および超音波所見上、乳癌と鑑別を要する場合がある。
乳頭部を含めて、病的乳管を膿瘍や皮膚瘻孔部分とともに切除する。陥没乳頭を伴う場合は乳頭形成術を加える。病的乳管が同定できない場合は、穿刺排膿や切開排膿で対処するが、再発しやすい。膿瘍腔が大きい場合には、切開排膿し、ドレーン留置が必要となる。
良性疾患であるが、病的乳管を切除しないと再燃を繰り返す。病的乳管を切除した場合でも、再発することがある。
1) デヴィッド L サイメル・ドルモンド レニー 著、日経メディカル 編集、竹本毅 翻訳:JAMA版 論理的診察の技術 ―エビデンスに基づく診断のノウハウ―,日経BP社 2010
2) 石山公一・佐志隆士・角田博子・大貫幸二 著:マンモグラフィのあすなろ教室 (画像診断別冊),秀潤社 2007
3) 主婦と生活社 編集、対馬 ルリ子 総監修:図解 症状でわかる女性の医学BOOK―医者にいく前に読む本,主婦と生活社 2006
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