高血圧症 - MyMed 医療電子教科書

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最終更新日:2010.11.12

高血圧症(こうけつあつしょう)

執筆者: 松岡 博昭

概要

 血圧は連続性の分布を示すので、どの血圧レベルから高血圧と診断するのかについては心血管疾患発症のリスクや治療効果などを参考にして人為的に決められている。従来、WHOでは収縮期血圧(SBP)が160mmHg以上、あるいは拡張期血圧(DBP)が95mmHg以上の場合を高血圧、SBPが140mmHg未満かつDBPが90mmHg未満の場合を正常血圧、高血圧と正常血圧の間を境界域高血圧と定義していた。最近では、観察研究によりSBPは115mmHg以上から、DBPは75mmHg以上から血圧が上昇するのに伴って脳血管障害や虚血性心疾患による死亡が増加してくることが明らかにされ、わが国の高血圧学会の治療ガイドライン(JSH2004)および欧米のガイドラインではSBPが140mmHg以上、あるいはDBPが90mmHg以上の場合を高血圧と定義している。この様に定義した場合、わが国における高血圧人口は3千数百万人と推算されており、頻度の最も高い疾患である。
 一方、SBPが140mmHg未満かつDBPが90mmHg未満の場合は正常血圧ということになるが、JSH2004やヨーロッパのガイドラインでは正常血圧を血圧値によって表1のように3群に分類している。しかしながら、米国の合同委員会の第7次報告ではSBP120mmHg未満かつDBP80mmHg未満を正常血圧とし、SBPが120-139mmHg、あるいはDBPが80-89mmHgの場合を前高血圧と定義している。この様な血圧分類はあくまでも医療機関において安静座位の状態で水銀血圧計あるいはそれと同等の精度を有する血圧計を用いて上腕で測定された血圧値に基づいてなされている。また、血圧は変動しやすいので、高血圧と診断するには複数回受診し、受診時には複数回血圧を測定し、安定した値(前値との差が5mmHg以内)の平均値が常にSBP140mmHg以上、あるいはDBPで90mmHg以上の場合に高血圧と診断する。 

 高血圧は心血管系臓器組織に障害を与え、放置すれば心血管病を誘発するが、心血管病の中でも脳血管障害と特に関連が深い。 

 高血圧の大半は原因不明の本態性高血圧であるが、本症には遺伝的要因と環境要因が関与している。原因疾患を有する高血圧を二次性高血圧と呼んでいるが、二次性高血圧の中には原因疾患を取り除くことにより根治可能なものも少なくない。本態性高血圧の治療は生活習慣の修正(環境要因の整備)と薬物治療によって行われる。薬物治療によって高血圧による脳血管障害や冠動脈疾患などの心血管病が抑制され、生命予後が改善することが、数多くの大規模無作為化試験の成績で明らかにされている。

病因

 血圧は心拍出量と末梢血管抵抗の積によって規定される。高血圧は一般的には心拍出量は正常で末梢血管抵抗が増大した病態であるが、初期には心拍出量(循環血液量)が増大する病態があり、その後自動調節によって末梢血管抵抗が増大し、長期的には心拍出量は正常化しても高血圧が持続するような病態があると考えられている。 

 本態性高血圧の病因は明らかではないが、複数の高血圧関連遺伝子と食塩、肥満、過剰飲酒、運動不足、ストレスなどの環境要因が複雑に作用しあって発症してくると考えられている。二次性高血圧は病因が明らかな高血圧であり、例えば腎実質性高血圧では腎実質の障害によるNa・水排泄能の低下、レニン•アンジオテンシン(RA)系や交感神経系の不適切な亢進などによって高血圧をきたしてくる。また、腎血管性高血圧ではRA系の亢進、内分泌性高血圧では副腎皮質や髄質などからの昇圧性物質(アルドステロンやコーチゾール、あるいはカテコラミン)の過剰産生が原因となって高血圧をきたしてくる。

病態生理

 高血圧は末梢血管抵抗が増大した病態であるが、高血圧は心臓に圧負荷をかけると共に血管病変をもたらす。高血圧に伴う血管の特徴的な病変は、小動脈や細動脈の内膜の肥厚と硝子化を伴った細動脈硬化である。また、太い動脈においては内皮障害を生じて粥状動脈硬化を促進させるが、粥状動脈硬化病変には高血圧の他、糖尿病、脂質異常症、喫煙、加齢なども関与している。高血圧により障害される臓器は脳、心、腎であり、特に脳血管は高血圧によって障害されやすい。心臓は心筋に対する圧負荷により心肥大を生じるが、長期的にはポンプ機能が障害される。冠動脈に対しては粥状硬化が高血圧によって促進され、虚血性心疾患をおこしやすくなる。また、腎細動脈の硬化により腎硬化症をきたしてくる。高血圧によるこれらの臓器障害は高血圧の程度が高いほど、また高血圧の期間が長いほどより高度であるが、高血圧を適切に治療することによってこれらの臓器障害が予防されることが示されている。

1)脳血管障害 
 高血圧が持続すると脳の細動脈に壊死(動脈内膜の肥厚による遠位部の虚血により生じる)が生じ、小動脈瘤を形成する。壊死した小動脈瘤が血栓によって閉塞すると小さな梗塞(ラクナ梗塞)を形成し、小動脈が破綻すると脳出血をきたす。高血圧による細動脈の壊死は主に穿通枝領域にみられる。この他、脳内動脈の粥状硬化に基づく血栓症では、皮質枝などの比較的大きな動脈に梗塞を生じる(皮質枝梗塞)。粥状硬化巣のプラークによる塞栓によって脳血流が一時的に障害され、一過性脳虚血発作が生じると考えられている。 脳血流には自動調節能が備わっており、血圧の変動に対しても血流は一定に保たれているが、自動調節能の範囲をこえる急激かつ著明な血圧の上昇は脳血流の増加と血管透過性の更進をきたして脳浮腫を生じ、高血圧性脳症(頭痛、嘔吐、意識障害など)を起こしてくる。

2)心疾患 
 心筋に対する圧負荷と冠動脈の粥状硬化の促進により心疾患を生じる。心筋は圧負荷に対して初期には代償性に肥大するが、心筋の肥大には圧負荷に加えて局所のレニン•アンジオテンシン•アルドステロン系、成長因子、交感神経α1受容体なども関与して心筋蛋白質の合成が促進される。これらの要因によって高血圧性心肥大においては心筋細胞の肥大のみならず間質細胞の増殖が認められる。高血圧性心肥大では拡張機能の障害が認められるが、高血圧が長期間持続すると左室内径が拡張し、最終的には収縮機能も障害されてうっ血性心不全を呈するに至る。高血圧は冠動脈の粥状硬化を促進する他、内皮依存性血管拡張反応の障害、冠循環の予備能低下などにより虚血性心疾患を助長する。さらに、高血圧と心肥大は共に心筋の酸素需要を増大させることにより心筋虚血はより顕著となりやすい。

3)腎障害 
 高血圧が持続すると腎糸球体輸入細動脈の硝子化と硬化を引き起こし、糸球体の硬化、尿細管萎縮、間質の繊維化をきたす(腎硬化症)。微量アルブミン尿は腎硬化症の初期の指標とされている。著明な高血圧と急速に進行する腎障害を呈する病態を加速性あるいは悪性高血圧と呼び、腎組織所見としては細動脈のフィブリノイド壊死と増殖性内膜炎を特徴とする。この様な病態は本態性高血圧を原因とするものが最も多いとされている。速やか、かつ厳格な降圧が病態の進展を抑制する。

診断・鑑別診断

高血圧の鑑別診断 
 高血圧は原因不明の本態性高血圧と高血圧の基礎疾患を有する二次性高血圧に分けられる。本態性高血圧は遺伝的要因と環境要因が複雑に作用しあって発症してくると考えられている。高血圧の90%以上は本態性高血圧が占めるとされているが、高血圧以外に本態性高血圧には特徴的な臨床所見はなく本症の診断は二次性高血圧を除外することによってなされる。二次性高血圧の中で頻度として高いのは腎実質性高血圧であり、次いで腎血管性高血圧である。内分泌性高血圧はいずれも稀な疾患とされていたが、最近、原発性アルドステロン症の高血圧に占める頻度は5~10%であると報告されており、二次性高血圧の頻度が高くなる可能性がある。本態性高血圧が特徴的な臨床症状や検査所見の異常をきたさないのに対し、二次性高血圧はしばしば特徴的な臨床症状や検査所見を伴う。また、本態性高血圧は通常40歳代後半頃から発症し、薬物治療に比較的よく反応するが、二次性高血圧は若年者にもみられ、薬物治療に抵抗性のことが多いという特徴がある。主な二次性高血圧と特徴的な臨床所見を表2に示す。

高血圧のリスク診断
 高血圧は脳心、腎、血管に障害をもたらし、心血管疾患を引き起こして患者の生命予後を悪化させる。心血管疾患の発症には高血圧の程度、高血圧以外の危険因子、脳、心、腎等の臓器障害、心血管病の有無が関与する。表3には心血管疾患の危険因子、表4には臓器障害と心血管病を示すが、これらを総合的に評価して個々の患者においてリスク診断を行い(表5)、治療方針を決定する(図1)。すなわち、ハイリスク高血圧ほど心血管病を発症するリスクが高く、治療によって得られる絶対リスクの減少も大きいのでより積極的に降圧薬治療を行う。

治療

 高血圧の治療の目的は心血管病の発症を予防し、心血管病による死亡率を減少させることである。また、既に心血管病を発症している症例においてはそれらの再発を抑制し、予後を改善することである。高血圧の治療には非薬物療法(生活習慣の修正)と薬物療法(降圧薬治療)がある。

1)生活習慣の修正
 食塩、肥満、過剰飲酒、運動不足、喫煙などの生活習慣は高血圧と密接に関係しており、生活習慣の修正は高血圧治療の基本となるものである。高血圧のみならず、表1に示す正常高値血圧者も生活習慣の対象となる。また、糖尿病や慢性腎臓病(CKD)合併例では正常血圧であっても生活習慣の対象となる。さらに、心血管病の発症は国民全体の血圧レベルを低下させることにより抑制ができると推測されるので、若年者を含めて国民全体が生活習慣の修正に心がけ、血圧を低下させることが望ましいといえる。JSH2004で勧められている生活習慣の修正項目を表6に示す。

2)降圧薬治療
 大規模無作為化試験により降圧薬治療によって心血管病の発症が抑制されることが示されている。これらの試験で有効性が明らかにされている降圧薬はサイアザイド系および類似(サ系)利尿薬、Ca拮抗薬、ACE阻害薬、ARB、β遮断薬である。これら降圧薬による心血管病の発症抑制は降圧自体によってもたらされ、特定の降圧薬の特性によるものではないとされている。これらの降圧薬は心血管病の一次予防で有効性が明らかにされているのみならず、既に心血管病を発症している症例においても再発の抑制や予後の改善をもたらすことが示されている。JSH2004では表7に示すように6種類の降圧薬を主要降圧薬として位置づけ、それぞれの薬剤の臨床的エビデンスならびに薬理作用に基づいてそれぞれの降圧薬に対する積極的な適応病態を挙げている。

i)主要降圧薬の概要
a) Ca拮抗薬 Ca拮抗薬は血管平滑筋細胞へのCaイオンの流入を阻害して血管拡張作用を示すことにより降圧をもたらす。わが国ではジヒドロピリジン系Ca拮抗薬とベンゾチアゼピンCa拮抗薬(ジルチアゼム)が降圧薬として用いられている。副作用として重篤なものはないが、顔面紅潮、頭痛、動悸、下腿浮腫、歯肉増生などがある。ジルチアゼムには心臓の刺激伝導系への抑制作用があり、徐脈や房室ブロックがみられることがある。降圧作用に優れ、臨床的なエビデンスも集積されていることより、わが国では最も処方頻度の高い降圧薬である。
b) ARB  アンジオテンシンⅡの(AⅡ)のタイプ1受容体を遮断することにより血管拡張作用を示して降圧をもたらす。直接的な血管拡張の他にも交感神経の抑制、アルドステロン分泌の抑制なども降圧に関与していると考えられる。高血圧における臨床的エビデンスのみならず、心不全あるいは糖尿病性腎症の進展の抑制のエビデンスも集積されている。副作用が少ないことが最大の特徴であるが、他の降圧薬に比較して高価である。
c) ACE阻害薬 ACEを阻害することによりAⅡの産生を抑制すると共に、キニネースⅡを阻害してブラジキニン、NOなどを増加させて降圧をもたらす。ARB以上に降圧薬としてのエビデンスは豊富であり、心不全や糖尿病性腎症に対する有効性も数多く示されている。副作用としてブラジニキンの増加に伴う咳がみられるのが問題である。また、ブラジキニンの増加によると思われる血管性浮腫がまれにではあるが認められ、気道閉塞による死亡例がわが国でも報告されている。
d) サ系利尿薬 腎遠位尿細管においてNaと水の再吸収を抑制して循環血液量を減少させて降圧をもたらすが、長期間の投与では循環血液量の減少は軽度にとどまり、末梢血管抵抗が減少することも降圧に関係してくる。Naが高血圧の成因に深く関与していることから、重要な降圧薬であるといえるが、副作用として低K血症、耐糖能障害、高尿酸血症などがあり、わが国では処方頻度があまり高くない。少量(わが国で市販されている錠剤の1/2〜1/4錠/日)の利尿薬を基礎薬として多くのエビデンスが海外で集積されている。サ系利尿薬の他にもループ利尿薬とK保持性利尿薬があるが、前者は腎障害時(例えば血清クレアチニン値が2.0mg/dl以上の場合)にサ系利尿薬の代わりに用いられ、後者は低K血症時や心不全時に用いられる。
e)  β遮断薬 心拍出量の減少、交感神経中枢に対する抑制作用、腎傍糸球体細胞からのレニン分泌抑制作用などが降圧に関与しているとされているが、降圧作用機序は必ずしも明らかではない。虚血性心疾患(特に労作狭心症)を伴う高血圧や心不全によい適応となるが、気管支平滑筋の攣縮をきたしうるので気管支喘息には禁忌である。
f) α遮断薬 血管平滑筋細胞におけるα1受容体を遮断することにより降圧をもたらす。脂質代謝に好影響を与えるとされているが、投与初期に起立性血圧下降をきたすことがある。大規模介入試験のエビデンスに欠ける。

3)高血圧治療の実際
 高血圧診療に際しては高血圧の程度(表1)のみならず血圧以外の危険因子(表3)、心血管系臓器障害や心血管病(表4)の有無を初 期に評価するとともに、二次性高血圧の除外診断もあわせて行う。血圧は変動しやすいので複数回受診させ、一回の診察においても安静座位の状態で測定し、安定した血圧値(測定値の差が5mmHg以内)の平均値が140/90mmHg以上の場合に高血圧と診断する。外来血圧で高血圧と診断されても家庭では正常血圧(125/85mmHg未満)を示す白衣高血圧の可能性もあるので、可能な限り家庭血圧の測定を勧めるべきである。家庭血圧の測定は、朝起床後1時間以内に再尿後、食前、服薬前に安静座位の状態で測定するのが望ましい。臓器障害などのない白衣高血圧に対しては薬物治療は必要ないが、長期的には高血圧となる可能性も指摘されているので経過観察を継続すべきである。 二次性高血圧が疑われる場合には、腎血行再建術や外科的腫瘍摘出術などで根治可能な場合も少なくないので専門医に紹介すべきである。 二次性高血圧が除外され、リスク評価によりリスクの層別化が行われれば(表5)、図1に従って生活習慣の修正に加えて降圧薬治療を開始する。一般的な降圧目標は140/90mmHg未満であるが、CKDや糖尿病合併例では130/80mmHg未満が降圧目標となるので、これらの病態では正常高値血圧や正常血圧であっても降圧薬治療の対象となる場合がある。最近では、冠動脈疾患合併例や脳血管障害合併例においても厳格な降圧が予後を改善するとのエビデンスが報告されており、ヨーロッパのガイドライン4)ではこれらの症例においても130/80mmHg未満を降圧目標としている。

















最近の動向

1)診察室以外での血圧測定 

 自動血圧計の普及により家庭でも手軽に血圧が測定可能になった。家庭血圧計には上腕用、手首用、指用の3種類があるが、上腕用が精度として優れているので、上腕用を用いることが勧められる。家庭で自己測定した血圧値は医療機関で測定した血圧値よりも一般的には低値を示す。日本高血圧学会の治療ガイドライン(JSH2004)では、家庭血圧がSBPで135mmHg以上、あるいはDBPで85mmHg以上の場合に高血圧と診断することにしている。家庭血圧は朝1回、あるいは朝夕2回の測定が勧められている。朝の血圧は、起床後1時間以内にお手洗いを済ませ、朝食前、服薬前、安静座位の状態で測定する。コーヒーや喫煙は血圧値を上昇させるので、測定30分前から控えるようにする。家庭血圧の測定は患者のコンプライアンスの向上にも役立つ。24時間自由行動下血圧測定(ABPM)により血圧には日内変動があり、一般的には血圧は覚醒時に高値を、睡眠時に低値を示すことが明らかにされている。JSH2004ではABPMによる24時間値の平均が、135/80mmHg以上の場合には高血圧として対処するように勧めている。家庭血圧や24時間血圧による正常血圧値の定義は明確ではなく、JSH2004では125/80mmHg未満を家庭血圧の正常値としている。未治療症例で家庭血圧や24時間血圧が正常で、外来血圧が高血圧を示す症例は白衣高血圧と診断される。また、治療の有無を問わず、外来血圧が正常であるにもかかわらず、家庭血圧や24時間血圧が高血圧を示す症例は仮面高血圧と呼ばれる。白衣高血圧で高血圧性臓器障害のない症例では薬物治療の必要はない。一方、仮面高血圧は高血圧と同様の心血管リスクを有するとの報告があり、未治療であれば治療が必要であり、薬物治療中であればその見直しが必要である。家庭血圧値やABPMによる血圧値は診察室血圧値よりも高血圧性臓器障害とよく相関するとの報告があるので、高血圧診療の参考とすべきである。ちなみに、ABPMは2008年4月より保険適用されている。

2)超高齢者高血圧の治療 

 80歳以上の超高齢者における高血圧治療の効果についてはこれ迄エビデンスがなかった。最近、80歳以上(平均年齢84歳)の高血圧(SBP≧160mmHg)を対象にプラセボを対照薬としてサ系利尿薬を基礎薬、ACE阻害薬を2次薬に用いて行われた試験(目標降圧値は150/80mmHg未満)では、降圧薬治療により総死亡と脳卒中死亡および心不全の発症が有意に抑制されることが報告されている。従って、超高齢者においても中等症以上の高血圧であれば降圧薬治療によって予後の改善が期待できる。
 
3)わが国におけるエビデンスの集積とガイドラインの改訂

 わが国においては高血圧を対象とした大規模無作為化試験は極めて少なかったが、最近では幾つかの試験が報告されてきている。また、海外においても興味深い試験が報告されつつある。これらの報告を踏まえて、現在、日本高血圧学会はJSH2004の改訂作業に取り組んでいるところであり、2009年1月には発行の予定である。  

文献

1)Lewington S, Clarke R, Qizilbash N, et al; Prospective Studies Collaboration : Age-specific relevance of usual blood pressure to vascular mortality: a meta-analysis of individual data for one million adults in 61 prospective studies. Lancet 2002; 360:1903-1913.

2)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会: 高血圧治療ガイドライン2004.日本高血圧学会,東京, 2004.

3)Mancia G, De Backer G, Dominiczak A, Cifkova R, Fagard R, et al : 2007 Guidelines for the Management of Arterial Hypertension: The Task Force for the Management of Arterial Hypertension of the European Society of Hypertension (ESH) and of the European Society of Cardiology (ESC). J Hypertens 2007; 25: 1105-1187.

4)Chobanian AV, Bakris GL, Black HR, Cushman WC, Green LA, et al : The Seventh Report of the Joint National Committee on Prevention, Detection, Evaluation, and Treatment of High Blood Pressure: the JNC 7 report. JAMA 2003; 289: 2560-2572. 5)Beckett NS, Peters R, Fletcher AE, et al : Treatment of hypertension in patients 80 years of age or older. New Engl J Med 2008; 358: 1887-1898.

(MyMedより)推薦図書

1) 日本高血圧学会 編集:高血圧専門医ガイドブック―日本高血圧学会専門医取得のための,診断と治療社 2009

2) 日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会 著:高血圧治療ガイドライン2009,ライフ・サイエンス出版 2009

3) 桑島巌 著:高血圧の常識はウソばかり (朝日新書),朝日新聞社 2007
 

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