突発性発疹 - MyMed 医療電子教科書

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最終更新日:2010.11.25

突発性発疹(とっぱつせいほっしん)

執筆者: 佐藤 敦志

概要

 乳児期に罹患し,3~4日間の高熱と解熱後の発疹を特徴とする感染症である。

病因

 ヘルペスウイルスの一種であるヒトヘルペスウイルス6型,ヒトヘルペスウイルス7型の初感染である。

病態生理

 HHV-6が体内に侵入すると,約1週間後からウイルス血症を生じ,さらに2日後から発熱をきたす。ウイルスは発熱から4日前後で宿主免疫により排除され,解熱するとともに発疹が生じる。HHV-7感染症でも同様のことが起きていると考えられる。

臨床症状

自覚症状

 突然の高熱が最も特徴的であり,高熱のわりに機嫌や全身状態の良い例が多くみられる。その他には咳嗽,鼻汁,下痢などを伴うが,軽度であることが多い。子どもが生まれて初めて高熱をきたすことが多い疾患でもあり,発熱時に熱性けいれんを起こすこともある。全身の不定形発疹が認められるのは,解熱する前後である。

他覚症状

 発熱時には咽頭発赤を認め,軟口蓋に永山斑と呼ばれる特徴的な発赤を認めることもある。患児の意識状態やけいれんの有無とは無関係に,大泉門の膨隆を時に認める。

検査成績

 炎症反応の軽度亢進を認めるが,特徴的な検査所見は特にない。

診断・鑑別診断

 診断は臨床的に行われる。高熱を認める乳児において,全身状態,随伴症状,咽頭所見などから本症と考えられるときは,経過観察を行う。解熱前後の発疹をもって,最終的に本症と診断される。

 血清抗体価の上昇,末梢血のPCRによっても診断は可能である。しかし両者とも保険収載がなく,前者はペア血清をとる前に臨床経過から診断され,後者は偽陽性が多いため,実際に検査することはまれである。

治療

 本症はウイルス感染症であるため,対症療法が基本である。安静とクーリング,十分な水分補給を心がける。本症の発疹は強い自覚症状を伴わず,自然に消退するため,発疹に対する治療は不要である。

予後

 4日前後の経過で解熱を認め,基本的に予後良好である。また,HHV-6およびHHV-7によってそれぞれ本症に罹患しうるため,2回は本症を経験する可能性がある。

参考文献

吉川哲史:小児の治療指針 HHV-6, 7感染症. 小児科診療 69増刊号 216-218, 2006

(MyMedより)推薦図書

1) 馬場直子 著:こどもの皮疹診療アップデイト (CBRアップデイト・シリーズ 2),シービーアール 2009

2) 山城雄一郎:新小児科学 (Qシリーズ),日本医事新報社 2005
 

免責事項

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