デュプイトラン拘縮、デュプイトラン病 - MyMed 医療電子教科書

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最終更新日:2010.11.15

デュプイトラン拘縮、デュプイトラン病(でゅぷいとらんこうしゅく、でゅぷいとらんびょう)

Dupuytrens Contracture,Dupuytrens Disease

執筆者: 三浦 俊樹

概要

 手のひらや指にしこりが生じ、指が曲がっていく病気にデュプイトラン拘縮があります。「指が曲がっていて伸ばせない」という状態は関節自体の病気によってもおこりますが、デュプイトラン拘縮では皮膚の下に病的な索状物が生じ皮膚がつっぱるために指を伸ばすことが出来なくなります。女性よりも男性に多く中高年に生じます。痛みはありませんが進行すると指が伸びないために生活上の支障が生じます。この病名はこの病気を詳しく調べたフランスの外科医ギョーム・デュプイトラン男爵(1777-1835年)に由来しています。

病因

 北欧系の白人に多く黒人に少ないため遺伝的な素因が疑われていますが、はっきりしたことはまだ明らかにはなっていません。アルコール依存、抗てんかん薬(バルビタール)常用、糖尿病などが関連すると指摘されています。

病態生理

 皮膚の下にある手掌腱膜に病的な結節が生じこれが索状に指に広がって指の皮膚や腱鞘までつながります。この索状物は弾力性がなく指の皮膚がひっぱられるため指が曲がります。この際、指の神経や血管を螺旋状に巻き込んでいく場合もあります。

 病的な索状物の広がり方により指の根元(MP関節)が曲がる場合や第2関節(PIP関節)が曲がる場合、両方とも曲がる場合があります。

臨床症状

 小指や薬指(環指)におこりやすいとされています。痛みはありませんが洗顔などの際に指が邪魔になったり、指を引っかけやすい、両手をあわせにくい、大きな物を持ちにくいなどの障害が生じます。握力の低下は原則的にはおこりません。指の第2関節(PIP関節)が曲がった状態が長く続くと関節自体の拘縮がおこります。

検査成績

 特別な検査はありません。

治療

 手術以外の治療では効果が明らかな治療法はありません。手術では病的な腱膜の切離や切除を行います。皮膚自体も短縮してしまっているので皮膚を延長するためのZ形成術などを同時に行います。植皮(皮膚移植)を行う場合もあります。手術の適応は、MP関節が曲がっている状態では曲がり角度の程度、手術時期にあまり関係なく治りやすいので生活上支障がでてからの手術で問題ありません。一方、PIP関節が曲がっている場合、関節自体の拘縮も生じやすく、進行してから手術をしても治りにくいので早めの手術が検討されます。

予後

 再発しやすい体質としての特徴は両側罹患、家族歴、(手のひら以外の)異所性病変、人種・民族性が以前より指摘されていますが、その他に性差(男性は女性の4倍)、年齢(若年発症)、アルコール多飲の患者さんも再発しやすいと報告されています。再発率は色々な報告がありますが、5年で約50%程度とされています。

最近の動向

 コラーゲンを分解する酵素、コラゲナーゼの注入が米国で臨床治験中ですが、現時点ではまだ確立された方法ではありません。手術治療が主体です。

(MyMedより)推薦図書

1) S・テリー・カナリ,藤井克之,三浪明男 著:キャンベル整形外科手術書 第9巻 手,エルゼビア・ジャパン 2004

2) 堀内行雄 編集:手の外科 (整形外科専門医を目指すケース・メソッド・アプローチ),日本医事新報社 2005,

3) 三浪 明男 著・編集:手関節・手指II (最新整形外科学大系),中山書店 2007

 

免責事項

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ご自身の健康上の問題については、専門の医療機関とご相談ください。

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