真性包茎 - MyMed 医療電子教科書

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最終更新日:2010.11.02

真性包茎(しんせいほうけい)

True phimosis

執筆者: 多田 実

概要

 包茎とは包皮が亀頭部を覆っている状態であり、包皮口が狭く亀頭部を出そうと包皮をずりさげても露出できないのが真性包茎である。容易に露出できる状態が仮性包茎である。

臨床症状

(1)排尿障害:包皮口が狭いため、包皮と亀頭部との間に尿が貯留して風船状になる(ballooning)。尿が四方に飛び散る(尿線散乱)。Ballooningが顕著になり、残尿形成の原因となる(尿瘤形成)。

(2)亀頭包皮炎:包皮と亀頭部との間に細菌感染が生じるためにおこる炎症である。疼痛、腫脹、排膿を伴うが、尿道膀胱炎に波及することもある。

(3)嵌頓包茎:狭い包皮口から亀頭部が外に出てしまい戻らなくなった状態で、亀頭および包皮に激しい浮腫が生じる。用手的還納法にて嵌頓は解除できるが、再発防止のための対策(手術もしくは指導)が必要である。

(4)尖圭コンジローマの合併:尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルスを原因として外尿道口から陰茎舟状かを中心に乳頭状腫瘤を形成する。主に成人における性的感染であるが、稀ながら小児においても認められる。真性包茎による亀頭包皮炎や湿性環境がウイルスの増殖母地となりやすいためである。腫瘤電気切除に加え、包茎にたいする環状切除術が同時に必要である。

治療

I 自然経過観察:

 先に述べた如く、加齢とともに多くは真性から仮性に移行するため、治療の必要はない。移行しない例や上記(1)~(4)のような症状を呈する症例においてII&III の治療法が必要となる。

II ステロイド軟膏療法:

 最近、急速に普及してきた方法である。
治療効果は80%以上であり、非侵襲的なうえ、医療経済的にも安価である。

i 治療効果 0.12%ベタメサゾン(RVG) 85~93%

0.05%クロベタゾン(Dermovate) 74~92%
ii 使用方法 1~2回/日 包皮輪狭小部へ塗布 4~8週間

 ただ治療中の嵌頓包茎に注意を要することと、治療終了後に再癒着しやすいため、管理を十分に行うことを家族に話しておくことが大事である。

III 手術治療:

 ステロイド軟膏療法で改善がなく、真性包茎のまま学童期に達している例や、(1)~(4)の如き症状を伴う場合は環状切除術などの外科的治療の選択となる。

最近の動向

 先のステロイド軟膏療法における、真性包茎に対する作用機序として以下の要素が推測されている。
・表皮をひ薄化させ、皮膚の伸展をよくする 
・抗炎症作用 
・湿潤作用である。

病因・病態生理

 仮性包茎は病的意義はなく、真性包茎でも小児期においては必ずしも病的とは言えない。これは加齢に伴い、高率に真性から仮性に移行するからである。乳幼児期における真性包茎は生理的なもので学童期までの間に包皮と亀頭部との分離がすすむ。

参考文献

1) 多田実:包茎・亀頭包皮炎、マイクロペニス。小児科臨床、54(12),pp2366-2368,2001

2) 浅沼宏、他:泌尿器科領域―包茎の治療方針。小児外科、37(12),pp1477-1451,2005

3) 増子洋、他:ステロイド軟膏による小児真性包茎の保存的治療。小児外科34(12),pp1455-1460,2002

(MyMedより)推薦図書

1) 岡田正 著:系統小児外科学,永井書店 2005

2) 柿崎秀宏 編集:小児泌尿器科手術 (新Urologic Surgeryシリーズ),メジカルビュー社 2010

免責事項

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ご自身の健康上の問題については、専門の医療機関とご相談ください。

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