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アナフィラクトイド紫斑病 - MyMed 医療電子教科書

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最終更新日:2010.11.30

アナフィラクトイド紫斑病(あなふぃらくといどしはんびょう)

執筆者: 高橋 昌里

概要

 血管性紫斑病、アレルギー性紫斑病、Hnoch-Shonlein紫斑病などは同義語として使用されている。

 アナフィラクトイド紫斑病は小血管の炎症に基づく紫斑病であり、腹痛や関節痛を伴うものである。主として3歳から10歳までの小児に生じ男女比は2:1で男児に多い。合併症の腎炎が重症の場合、無治療では腎不全に至る場合がある。自然に治癒する場合もあるが、腹痛や関節痛などの症状が強く日常生活を送ることが困難な場合にはステロイド剤を中心とする薬物療法が有効である。合併症である紫斑病性腎炎は尿所見の重症度と病理学的重症度と無治療の場合の予後にはある程度の相関があり、重症度に応じて治療法を選択する必要があると考えられる。積極的な治療が行われなかった1970年代では小児期腎不全の原因の19%が本症であったが、積極的な治療介入とともに1990年代には1.6%と激減している。

病因

 アナフィラクトイド紫斑病の臨床像の解明や治療の方法論が進んでいるにもかかわらず、原因の詳細は未だ明らかにされていない。しかし疫学的研究からは溶連菌感染の流行に同期して発症例の増減があり溶連菌感染との関連が示唆されている。他方、紫斑の病理は血管壁へIgA沈着を伴うleukocytoclastic vasculitisであること。また腎症では腎糸球体へのIgA、C3の沈着が認められること。活動性の強い症例ではIgA免疫複合体が血清中に認められること。またIgAのサブクラスであるIgA1のヒンジ部分に異常なO-linked glycocylationが認められることなどから、IgA免疫複合体が関与する全身の血管炎であることは明らかである。

病態生理

 皮膚の病理組織所見は前述のごとく小動脈周囲の著明な白血球浸潤を特徴とするleukocytoclastic vasculitisであり、紫斑の所見を裏付ける赤血球の血管外への漏出(出血)、血管壁のフィブリノイド変性などが認められる。蛍光抗体法では血管壁にIgAの沈着を認める。また強い腹部症状を伴い開腹手術が施行された症例においては腸管のソーセージ様の腫脹(このことは腸重積症の発症に関連すると考えられる)が観察され、病理所見では皮膚と同様の血管炎が認められる。腎症はメサンギウム領域にIgAドミナントな沈着を示す糸球体腎炎の所見を呈し、病変の程度は軽度のメサンギウム増殖から高度の半月体形成性腎炎まで多様である。また(表1)に示すように尿所見の程度と腎病変の程度、そして予後にはある程度の相関が認められる。


表1 紫斑病性腎炎の臨床・病理組織像・予後

 さらに血中の13因子の低下ならびにD-D dimerやTATの増加など血液凝固亢進と線溶亢進が認められる。13因子の低下と凝固線溶亢進は全身の血管炎から生じた紫斑の修復過程により生じるものと考えられるがすべての症例に認められるわけではない。

臨床症状

  3歳から10歳頃までの小児に多く、女児よりも男児に多く発症する傾向がある。諸症状は一過性であるが約3分の1の症例で再発が見られる。

  症状は硝子圧で消褪しない紫斑(小丘状、点状など)が対称性に四肢では伸側を中心に出現し臀部にも認められる(図1、図2)。

図1

図2

 また顔面(頬部や眼瞼)、胸部、足背、陰嚢などにQuinckeの浮腫を生じることもある。紫斑の出現とともに腹痛や関節痛をそれぞれ3~8割の症例に認める。腹痛は非常に強いことが多く、疝痛様で、血便を伴うこともしばしばである。幼児では腸重積症の合併も認められることがあり、また大量の消化管出血や消化管穿孔の症例もまれに認められるため腹痛の診断には注意を要する。関節痛は多くは腹痛に引き続いて足関節および膝関節に出現する、疼痛が強い時期には腫脹を伴って歩行が困難となる。その他、男児ではおよそ30%程度の症例に睾丸・陰嚢の腫脹が認められる。

治療

 紫斑病、特に強い腹痛や関節痛に対する治療の基本はステロイド剤である。通常はプレドニン1~2mg/kg(分2)を経口投与(腹痛が強く服用できない場合には水溶性プレドニン同量を静注)する。抗アレルギー薬、止血薬などが処方されることがあるが無効である。また鎮痛剤も使用されることがあるが効果は一時的でありステロイド剤のような効果は期待できない。通常のステロイド投与による治療に反応しない強い腹痛には血液第13因子製剤が有効という報告もある。また血漿交換療法も著しい腹痛、関節痛を伴う紫斑や急性期の腎炎には有効であるが、二重膜ろ過法では血液第13因子をさらに低下させることがあるので使用には注意が必要である。

予後

 予後は比較的良好であり、紫斑は一過性の経過で治癒することが多い。繰り返す症例でも全体的な生命予後は良好で、致死的な症例は1%未満と考えられている。しかし中枢神経合併症や消化管穿孔のなど重篤な合併症の存在には留意すべきである。

最近の動向

 最近の紫斑病性腎炎に対するシステマティックレビューではメチルプレドニンパルス療法をはじめとするステロイド療法ならびにステロイド剤とシクロフォスファミドやシクロスポリンなどの免疫抑制剤併用療法は有用と考えられるが、よりしっかりした構造のランダマイズドコントロールスタディーが必要とされる。またより重症例ではこれらに加えて血漿交換も使用されることが付け加えられている。ACE阻害剤、アザチオプリン、MMF、ウロキナーゼなどの併用についてはさらに検討が必要としている。腎炎の予防投薬は効果が疑問、高用量ガンマグロブリン療法や血液13因子製剤、フィッシュオイル、ビタミンEの使用は肯定的ではないとされている。日本ではステロイド療法を軸とした治療が開始された頃から透析導入率が激減しており、これらの治療は予後を改善する可能性が高い。

腎合併症

 腎合併症である紫斑病性腎炎は軽症例をいれると血管性紫斑病の20~30%に認められるが重症な腎炎の合併は1%程度と推測される。紫斑病性腎炎は1970年代には小児期の透析導入症例の19%を占め、後天性の腎臓病の中で最も透析導入の頻度が高かったが、腎炎治療の進歩とともに90年代には1.6%まで激減している。腎の組織学的重症度は国際小児腎臓病研究班(ISKDC)により(表2)のように分類されている。また尿所見・臨床所見と腎病理組織学的重症度そして腎不全のリスクには前述のごとく表1に示すような関連が報告されている。


表2 国際小児腎臓病研究班(ISKDC)分類

中枢神経合併症

 中枢神経合併症はまれであるが注意すべき病態であり、痙攣や頭蓋内出血などの報告がある。特にサイトメガロウイルスなどの非顕性の感染も合併では強い血管炎を合併することがあり要注意である。

紫斑病性腎炎の治療と予後

 治療は尿所見の重症度によって異なる。尿蛋白陰性の場合は無治療、尿蛋白/クレアチニン比0.5以下では抗血小板薬(ジピリダモール 5mg/kg)単独、それ以上では経口ステロイド薬(プレドニン 1mg/kg)を追加して経過観察する。そして2~3週間以内に改善がみられない症例は腎生検の適応と考える。臨床的にネフローゼ症候群あるいはNephro-nephritic syndromeを呈する症例、また腎生検上ISKDC grade IIIb以上の場合にはパルスーウロキナーゼ療法を行う。パルスーウロキナーゼ療法とはウロキナーゼ2500U/kgを5%ブドウ糖に溶解して静脈注射しその後引き続いてパルス療法(メチルプレドニン20mg/kgを5%ブドウ糖100~200mlに溶解して2時間で点滴静注)の点滴ボトル内にウロキナーゼ2500U/kgを混じて追加投与するもので1週間にこれを3日連日で投与することを1クールとして3クール行うものである。その後は半年から1年をかけて経口ステロイドを減量中止する。効果は治療後2週間以内には明らかとなる。特に肉眼的血尿を呈する症例は数日で肉眼的血尿の消失を見ることが多い。それと同時に腎糸球体の組織学的な修復も認められる。またこのような治療にも反応しない症例ではシクロスポリンの投与や血漿交換の併用などが有用である。

参考文献

1) Watanabe T, Takahashi S, Nakajo S and Hamasaki M Pathological improvement of IgA nephropathy and Henoch-Schonlein purpura nephritis with urokinase therapy Acta Pdeatr. Japonica 38:633-638, 1996

2) Kawasaki, Y. Suzuki, J. Suzuki, H. Efficacy of methylprednisolone and urokinase pulse therapy combined with or without cyclophosphamide in severe Henoch-Schoenlein nephritis: a clinical and histopathological study Nephrol Dial Transplant 19:858-64

3) Ballinger, S.: Henoch-Schonlein purpura Curr Opin Rheumatol 15:591-594, 2003

4) Rostoker, G: Schonlein-henoch purpura in children and adults: diagnosis, pathophysiology and management BioDrugs 15: 99-138, 2001

5) Zaffanello, M., Brugnara, M., Franchini, M.: Therapy for children with henoch-schonlein purpura nephritis: a systematic review ScientificWorldJournal 7:20-30, 2007

(MyMedより)推薦図書

1) 五十嵐隆 著・編集、馬場直子 編集:年代別子どもの皮膚疾患 (小児科臨床ピクシス),中山書店 2010

2) 末廣豊 編集、亀崎佐織・南部光彦・住本真一 編・著:小児アレルギー診療ブラッシュアップ,診断と治療社 2010

3) 馬場直子 著:こどもの皮疹診療アップデイト (CBRアップデイト・シリーズ 2),シービーアール 2009
 

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