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ulcerative colitis, UC
執筆者: 篠崎 大
明らかな外因なく、大腸粘膜を主座として生じる炎症性腸疾患。全国的には13万人以上の人がかかっていると推定されている。
免疫的な機序が想定されているが、詳細は明らかになっていない。いわゆる遺伝病ではない。一卵性双生児の発症一致率は10%程度であり、発症に環境的な要因の関与が強く想定される。
下血、下痢、粘液便が主な症状である。発熱、腹痛、貧血、体重減少、しぶり腹などが認められるた場合、重症であることが多い。小児では成長障害が起こりうる。
大腸内視鏡で、発赤・びらん・血管透見像の消失・出血・潰瘍を認める。便や粘膜の培養検査で感染性腸炎を否定する。重症などで深部大腸の評価が困難なときには、注腸検査を行う。深掘れ潰瘍はカフスボタン状に認められる。炎症が長期間続くと鉛管像を示すようになる。血液検査では、貧血・低蛋白血症・炎症反応・肝機能(薬の副作用)・腎機能(脱水など)等をチェックする。
厚生省研究班から診断基準が出されている(図3)。
図3.診断基準

基本薬は5-アミノサリチル酸である(商品名はペンタサ、アサコール、サラゾピリン)。
無効の時に、ステロイド・血球除去療法・免疫調節薬・抗TNFα抗体製剤が用いられる。
再燃(いったん良くなっても、再び悪化すること)することが多いので、いい状態を続けるために症状が落ち着いていても5-アミノサリチル酸、または免疫調整薬を続けることが肝要である。
薬が効かない時、頻繁に再燃を繰り返す場合には手術が必要となる。
一般的に、他の病気のない人たちと同等であり、きちんと治療していれば死亡することは少ない。かかった人の10-20%は最終的に手術となる。しかし、大腸がんに罹患することが他の人より多く、特に「がん」の症状が出てから治療した場合には死亡率が高い。このため、無症状であっても積極的に検査(サーベイランス内視鏡)を行い「がん」や前癌状態といわれるdysplasiaの早期発見に努める。
直腸から連続性に冒されるため、直腸のみ(直腸炎型)、脾弯曲部まで(左側大腸炎型)、脾弯曲部を超える範囲(全大腸炎型)の3型に分けられる。日本では従来、横行結腸中央部までを左側大腸炎型と称していたが、海外との統一のため近年変更された。例外的に、右側のみに炎症のある右側大腸炎型が加えられることもある。
図1.病型分類

初回発作型(初回のみ炎症あり)、再燃緩解型(再燃と緩解を繰り返す)、慢性持続型(炎症が続く)、急性電撃型(初回に非常に強い炎症をもつもの)に分類する。
図2.臨床経過の分類

軽症、中等症、重症、劇症に分類される。
図1.病型分類
図2.臨床経過の分類
厚生労働省の研究班から治療の治療指針が出されており、一般的にはこれに基づいて治療が行われる。
図4.UC治療指針(案)

最終的にUCの10-20%は手術が必要となる。
難治、重症、癌化、toxic megacolonなど
大腸亜全摘+回腸嚢肛門管吻合術、大腸(亜)全摘+回腸嚢肛門吻合術、結腸全摘+回腸直腸吻合術、大腸全摘+回腸人工肛門造設術、が主な術式となる。
図5.潰瘍性大腸炎に対する術式

術後はステロイドなどの治療が不要になることが多い。回腸嚢肛門(管)吻合術では手術直後は1日10回以上の排便回数だが、次第に減少し平均6回程度となる。また、30分以上便を我慢することが可能なため、通常の生活で困ることは多くない。また、失禁が見られることがある。長期経過で問題となるのは回腸嚢炎で、術後症例の10-50%程度が罹患する。これに対しては、抗生物質が有効であることが多い。
1) 日本炎症性腸疾患協会 編集:潰瘍性大腸炎の診療ガイド,文光堂 2007
2) 斎藤恵子 著、日本炎症性腸疾患協会・福島恒男 編集:潰瘍性大腸炎 患者が本当にききたいこと―129のQ&A付・診療医リスト、安心レシピ,弘文堂 2008
3) 石川秀樹 著:潰瘍性大腸炎と上手に付き合う本―病気を理解して上手に付き合えば大丈夫,三雲社 2010
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