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Keratocystic odontogenic tumor
執筆者: 小宮山 一雄
歯原性良性腫瘍の一つで、以前は歯原性角化嚢胞として知られていた。顎骨内で歯の萌出する領域に発現する。あるいは埋伏歯の歯冠に近接して出現することがある。通常は臨床的に無症状に経過し,歯の治療に際して行なうX線検査により発見されることがある。
嚢胞に近接する歯の根尖病巣などから2次的な感染を起すと疼痛など炎症症状を示すことがある。本疾患は嚢胞壁に上皮塊や娘嚢胞がみられ,再発しやすく,局所浸潤性を示すことと、稀に続発性に扁平上皮癌が発生することから、2005年に改訂されたWHO分類では腫瘍性疾患として扱うこととなった。
基底細胞母斑症候群(basal cell nevus syndrome: Gorlin-Goltz syndrome,常染色体優性遺伝)の一部分症状として本腫瘍が顎骨に多発性に生じることが知られている。
角化嚢胞性歯原性腫瘍の由来は、1) 歯堤またはMarassezの上皮遺残、2)口腔粘膜から伸長してきた上皮基底細胞と考えられている。
【X線】
局所浸潤性を示し、再発傾向が高いことから病変の外科的摘出が推奨されている。
癌抑制遺伝子の一つであるPTCH1(patched homolog 1)遺伝子の変異が基底細胞母斑症候群のみならず、角化嚢胞性歯原性腫瘍においても散発性にも報告されている。通常、PTCH1は腫瘍発生に関与するSMO (smoothened)と受容体複合体を形成し、SMOの細胞増殖活性を抑制している。PTCHにsonic hedge hog (SHH)が結合することにより、SMOの抑制が消失し腫瘍の発生・増殖が起こると考えられている。しかし,知見は十分でなく,腫瘍と見なすことに懐疑的な意見もある。
1) 塩田重俊、宮田喜内 監修:最新口腔外科学,医歯薬出版 東京 1999
2) 石川梧朗 著:口腔病理学1/口腔病理学2,永末書店、東京 1997
3 瀬戸一・栗田賢一・福田仁一・日本口腔外科学会・木村博人・朝波惣一郎・野間弘康 編集:別冊 一般臨床家、口腔外科医のための口腔外科ハンドマニュアル'09,クインテッセンス出版 2009
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